p187

平均的に25歳から65歳の間に11kgの体重増加が報告される(アメリカ)。これは一日あたりわずか350mg食べた量が過剰になるだけで起こると計算される。(これは40年間では約5kg(=350mg/日×365日/年×40年)の過剰となる。)40年間に食事で食べた量は18t以上(1日あたり1200〜1500g程度で計算するとこうなる)になることから考えると、エネルギー消費に対する摂食量の誤差は(5kg/18t)×100=0.03%
という計算でよいのだろうか?
「エネルギー消費に対する摂食量の誤差」の意味が分かりにくい…

摂食行動の制御には、脂肪組織による制御、消化管による制御、視床下部グルコース濃度による制御、体温のセットアップポイントでの制御などが重なり合っているのであろう。また脳内にあるたくさんの制御センターの相互作用が大事であろう。実際に40年間に0.03%の誤差に抑えるという精密な仕組みが保たれているメカニズムの解明はこれからの大きな課題といえるだろう。

このメカニズムの解析もコンピュータを用いてできる日がやってくるといいと思う。っが消化管の免疫、神経系は未知のことが多すぎる。さすが「第二の脳」だけある。人体全般的なネットワークを考えるには、おそらく自律神経系の細かいバランスの移動(少なくとも交感神経優位か副交感神経優位かの細かい機構くらいは分からないといけないのだろう)と全身に多数点在する数多くparacrineのネットワーク(サイトカイン)がうまいこと近似されるか、解明されないとできない話なのだろうが。最近見つかったホルモンに、研究者の注目が集まって詳細がわかるのは素晴らしいことだが、それだけですべて説明できるような感覚に陥りやすいのは何とかしないといけないだろう。というかそういった研究者とは別には、メタ・レベルで動きを考える研究者がいないとより広い「ネットワーク」に組み込めない。Aが全体に与えている影響度は、Bが全体に与える影響度を1としたときどれくらいなのか?みたいな話はいかにして進められるのだろう?