術後消化管出血

外科周術期マニュアル / 岩井直躬編集, 大辻英吾編集
京都 : 金芳堂 , 2010.6

p.68

消化管出血

消化管吻合部出血とそれ以外からの出血に分けられる


消化管吻合部出血
1)縫合糸や吻合器のステイプラーのゆるみ(手術当日の発症が多い)
2)縫合不全を伴う(術後5〜7日)
3)縫合糸、ステイプラーの脱落、組織の壊死による(術後5〜10日)
4)吻合部潰瘍

それ以外
1)逆流性食道炎
2)胃・食道静脈瘤
3)Mallory-Weiss症候群
4)ストレス潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)
5)NSAIDsなどの薬剤性消化管障害
6)AGML
7)毛細血管拡張症
8)小腸潰瘍
9)薬剤起因性腸炎
10)大腸憩室症
11)Meckel憩室症
12)潰瘍性大腸炎
13)Crohn病
14)感染性腸炎
15)S-H purpura

※抗凝固薬投与中による止血困難は常に念頭に置く必要がある


出血部位の検索は
GIF, CF
MDCTで造影検査

出血シンチ

<消化管出血の治療>
バイタルサインの測定
輸液:細胞外液
輸血:濃厚赤血球液、アルブミン製剤、FFP
内視鏡的止血術
薬物投与
経胃管的療法
血管造影による動脈塞栓術
止血手術