宮台語録

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

p.29
仲よくできない他者たちとどう付き合うかについて、考えていかなくちゃいけない。「みんな仲良し」が通用しなくなったいまの社会。ぼくたちは、付き合いたくない人間にもニコニコしなくちゃいけないのか。そんなことはないはずだよ。自分に必要な人間とだけ仲良くすればいい。自分に必要でない人間とは、「適当に付き合えば」いいだけの話だよ。

p.16
君がそうならないためには、いまのうちから「自分で選ぶ」訓練をすることが大切だ。君は、楽しいにしろ、つらいにしろ、いまそこにいて、ある環境を生きている。この環境は君が作ったものじゃない。でも「ただ受け入れている」のは君だ。つらいのは誰のせいだろう。

p.18
でも君は選択肢をちゃんと「知っている」だろうか。知っていたとして、選択肢を「選ぶ能力」はあるだろうか。それ次第では、君はとんちんかんに「他者のせい」にしたり「自分のせい」にしたりしかねない。

p.115
学校は「いい学校」・いい会社・いい人生」の幻想でメシを食うから、本当のことを教えない。

p.117
自分の望む人生のイメージが仕事なんかに直結してしまうことが、ぼくには信じられない。そういう人は、「いい学校・いい会社・いい人生」を真に受けて、「自分はこれさえあれば幸せ」というものを見つける「試行錯誤」をサボってきたんだろう。それじゃあダメだ。

p.119
「人のために」が一番よくない

p.123
こんなふうに、ぼくは「最低限これがあればいい」っていう「最低限」を、「これが最低限か、あれが最低限か」とトーナメントで戦わせる方式でやってきた。

自分がどんな人間で、何をしているときが幸せか。「これさえあれば自分は幸せ」と思えるものは何か。それをつかむためにだけ「試行錯誤」して、おぼろげながらでもつかんでいく。そうすれば、自分に必要じゃないものに過剰な期待をしなくて済むようになる。
自分に必要なものが見つかったら、それを手放さないためには最低限どうすればいいのか考えればいい。こういう態度が、仕事に限らず、いろんなものについて必要なんだと思う。