将来について

医師免許保有者が日本には約27万人
医者といえば、臨床医が多いが、ほかにも研究者、保健所で働く人、産業医、医系技官などいろいろな道がある。
臨床医は、勤務医と開業医がいる。勤務医にも大学に所属する人、大学医局と関連の薄い大病院にいる人がいる。

実際のところは、最初から「卒業してすぐ保健所の所長になろう」とかいう人は皆無なんだろうし、研究者志望者も減る傾向にある。産業医産業医科大学に入った人はまずなるのだろうが、それ以外でも研修を受ければ産業医として働ける。「安泰」といわれる医師だが、一生同じ場所にしがみついて生きていくわけでもない。

臨床医→留学→戻ってきて医系技官なんて人もいるし、臨床医→研究者なんていうのはそれなりにいるはずだ。

さて学生時代に医学生が自分のキャリアパスを考えるにあたってはどうしたものか?
とりあえず今は初期研修2年やらないと臨床医として働けないので、たいていみんな初期研修まで行くが、やっぱりその先どうするかは考えておきたいところ。っといっても政策の事情で環境が、先輩の時代と変わってしまう可能性はあるが。

 産業医がどれくらいいて、臨床医がどれくらいいて、保健所に勤めるひとはどれくらいいるのか?
 保健所の医師は平均何歳か、何歳くらいで開業するのか?
全然わからない。
医学生が普段会う人は、大学にいる人たち、すなわち大学病院に勤務する勤務医や医学研究者が中心だ。

厚生労働省は人材を求めているところもあるから、医学生が頼めば医系技官の話が聞けるだろう。

「とりあえず」をやっていると、あっという間に40歳くらいにはなるのだろう。


医学部出身で「時代を切り開いてきた」人というのはどういう人なのだろう?
一線の研究をしてある分野を切り開く、新たな手術方法を考え付く


??
これらは確かにあるレールのトップをいっているし必要なこと。

時代のニーズって何だろう?

自分の得意なことを生かすには??

心臓手術がたまらなくやりたくて邁進する人は、心臓外科医になってバリバリトレーニングを積むべきだし、研究者になって未解明の病気に取り組むのもすばらしい。
でも全国に1学年9000人弱いる医学生の中でこれらに進む人は一握りだ。今あげた例は特殊だから??では「普通」とは何か?

ぼーっとしていたら、「誰か」の言うとおりに道が決まってくるのかもしれないが、「やっぱいやでした。やめます。」は、自衛手段としてやむを得ないが、そうなる前に何とかできないのか?っていうところが残る。




http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/tsukui/200910/512770.html

2007年にフロリダで開催されたアメリカ胸部外科学会 (Society of Thoracic Surgeons)に参加したとき、レジデント向けのセッションで、目から鱗が落ちる思いをした。

レジデント修了後の人生設計に関する秘策とは


 このセッションは、レジデント修了後の人生設計に関する秘策を、人生の先

輩たちが伝授するというものだった。講師は現役の大学教授や市中病院の心臓

外科医だけでなく、ファイナンシャルプランナー、法律家などなど様々な職種

の人々。そしてレクチャーの内容は、就職先の探し方、給与交渉の仕方から、

好印象を与える握手の仕方、家庭生活を円満に送る方法、蓄財の仕方、住宅ロ

ーンの借り方といったことにまでおよんだ。日本の学会のPostgraduate course

とは、似ても似つかない内容だった。

 「どこに住みたいか、できるだけ具体的にイメージしろ!そうすれば、自分

が今後やるべきことが明確になる。それが分かったら、実現するための方法を

考え、後は実行するのみだ」

 たとえば、将来カリフォルニアに住みたいと考えたとしよう。それを実現さ

せるためには、自分を雇ってくれる病院を探さなければならない。その病院に

雇ってもらうためには、どんな技術や履歴書が好まれるかをリサーチすること

になる。それが分かったら、その目標に向かって邁進するのみだ!というわけ

だ。「なるほど!なんて柔軟な発想なんだろう!」と思った。その話が、しば

らく頭から離れなかったことをよく覚えている。

 日本の医局に属して医師として働く限り、将来自分の住みたい場所など、考

える発想がなかった。医局の人事に従い、来年はどこに住んでいるのか、自分

では予測のできない立場が中年まで続くのが普通だ。ところが、この心臓外科

医は「まず、最初に自分の住みたい場所や環境を決めろ!」と言った。なんて

夢のある話なのだろう。

 大切なのは、自分の夢を、どこまで具体的にイメージできるかということだ

ろう。これからの時代、日本人も、そして日本の医師も、こういった人生設計

をしていく必要があるのかもしれない。





カルフォルニアの有名大学付属病院の小児科レジデント、フェロー向け講義に

出たときのことです。題名は『就職活動での交渉の仕方』。内容はやはり何を

望むかでした。あらゆることが交渉の条件に入る。給料、休みはもちろんです

が、住む場所、家賃はだしてくれるか、一軒家がいいか、マンションがいいか

、それとも家を提供してくれるか、子供に良い学校を紹介してくれるか、将来

子供がその大学に入るのに有利になるか、子供の授業料を免除または割引でき

るか、裁判の時の保障、学会や他施設への勉強の機会はどれくらい与えられる

か、など、向こうもいろいろと無理を言ってくるのだから、それに対して、こ

ちら側も交渉していくといった感じです。確かに、『欲』を前面に出すのはい

やらしい感じもしますが、その分、自分に自身が無いといけないし、責任もよ

りはっきりしてくるでしょう。医局というバックグラウンド無しに、自分一人

で本当にどれだけできるかです。日本では、医局に守られている部分もあるの

ではないかと思います。医局制度にいろいろな意見もありますが、無ければ無

いで、アメリカのように皆自分を売り込まないといけなくなるではないでしょ

うか。

これまで、日本の医師は仕事をとるか、プライベートをとるかの二者択一が迫

られていた部分が少なからずあったことは否めません。仕事の専門性を上げな

がら、経済的余裕を持ち、プライベートも充実することができれば、本人だけ

でなく家族も含めて幸せな人生になるであろうと思います。