科学研究者になるための進路ナビ

 白楽ロックビル 羊土社2005年1月1日第1刷発行
学部生、大学院生は研究者になろうってのに、イマイチ勉強不足だ!とおっしゃっている本。夢ばかりではなくて先は厳しいことを述べている。途中には「研究者の悩み」とかいうコーナーもあったりして「生の声」がわかる

「100の法則」から抜粋

1 創造性のトライアングル:バイオ研究では「方法」、「物質」、「哲学」の3つのうちどれか1つで新しいことを発見、発明する

2 研究は一歩進めるか価値観を曲げるかだ
 要は、「1を10にする研究」or「0を1にする研究」
3 競争を好む人は研究者に向いている
4 大志・野心・野望がある人は研究者に向いている
8 研究者に独創性が必要というのはウソだ
 「凡人」は「1を10にする」仕事がほとんどであると言いたいらしい
10 研究で成功するポイントは「師」「時間」「人間性
13 学部生・院生は「よく食べる」
14 「生物は誕生したときの環境に適応する」ことをキモに命じて研究室を選ぶ
15 学部時代に英会話を徹底的い練習する
16 学部時代にパソコン技術を徹底的に習得する
21 院生はお金のもらえる研究室を選べ
23 迷うなら困難の多い道を選べ
24 研究室に奉仕して学位をとる
 現実では、実力のみならず先生との「仲のよさ」の要素がすご〜く大事
25 先生を指導して学位をとる
27 海外で活躍するなら博士号は必要
29 大学院ではアルバイトをしない
 アルバイトなんか将来の本職の役には立たないから勉強したほうがずっと身になるなんてことは理解できるが・・・。別にアルバイトに没頭するわけでもなく、しかもどっちかっていうとやりたくないのだが。奨学金をとるのはriskyな面もある。まあ奨学金をとっているという背水の陣で臨めってことなのかな。
30 博士号で浪人するな
31 博士生は、長時間の肉体作業で博士号を習得する
32 院生は必死に研究論文を出版する
38 ポスドクは週65時間以上働く
39 ポスドクは任期途中でも、なるべく早く常勤職を得る
41 ポスドクは自分にとって最も重要な問題を研究する
42、43 国内のポスドクなら給与が高くて常勤職を得られるポスドクになる
46 自分の就職を世話してくれそうな中高年の研究さ3人に定期的に連絡する
48 研究職就職では中高年キラーになる
52 学部生〜修士生よ、研究室は研究指導者で選べ
 初心者に自分の好きな研究もへったくりもない。初心者が理解しやすい知識はすでに科学界で確立した知識、つまり、研究が終了したテーマであることが多い。
53 学部生〜修士生よ、研究指導者は業績、人柄、思想で選べ
54 研究室をころころ移動するな
61 自分では科学的な不正をしない
62 他人の科学的不正を見ても無視無視!
74 英語研究論文を書いたら日本語の総説も書く
77 学会や研究会では必ず質問をする
78 学会の懇親会に出席し自分の専門分野の研究者と知り合う
85 できれば日本で学部を卒業し、海外の大学院で博士号を取得する
 4年制の大学では、学部2年生から英語を準備、3年生で留学したい大学院を決めておく。4年生の卒業研究では大学院留学理解と協力が得られる教員の研究室を選ぶ。
86 できればポスドクとしてでも海外留学する
87 最後のチャンスは研究者として35歳までに海外留学する
88 院生、ポスドク、研究員は、少なくとも2から3年、名門研究室で研究する
93 偉くなりたいなら英語に堪能になる
94 偉くなりたいなら文章や会話にうまくなる
95 偉くなりたいなら外国人とのパイプを作る
97 偉くなりたいなら研究費の扱い方や書類の書き方を学ぶ