これから

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 世界人口の変化をデータで見てみよう。世界人口は1750年から1950年までの200年間で、10億人から30億人に増加した。2000年までの、その後の50年で30億人から60億人に倍増した。この背景には、3つの理由があった。1.乳幼児死亡率の減少、2.食糧生産力の増加、そして3.公衆衛生の改善、である。

 ちなみに、1800年代の欧州での出生率は7くらいであったとみられる。当時欧州の女性は一人当たり、今のバングラディッシュと同様の数の子供を産んでいたのだ。それでも人口は増えなかった。医学、食糧生産、公衆衛生の面で、多くの子供が成人に達するまで生きられなかったのだ。次の50年では人口増加のペースは半減するとみられる。国連以外の一部の予測では世界人口は2100年までに減少に転じると見ているところもある。

 国連によれば、1970年の世界平均の出生率は4.5。この数字は2000年には世界平均で2.7にまで下落した。国連の予測では2050年にはこの世界平均の出生率が2.05に下落する。現状維持の2.1を下回るので人口が緩やかに減少するということだ。国連が前提を変えて試算した数字では、2050年の世界平均出生率は1.6になるであろうともいう。


現代では、少なくとも20歳過ぎまで高度な教育を受け、中にはその後、ビジネススクールロースクール等大学院に進むものもある。教育コストが莫大になってきたのだ。労働集約型経済において、8人の子供を持つことは、大きな恵みであった。6歳から稼いでくれ、老後の面倒も見てくれるはずだった。知識集約型経済のもとでは、よほどの資産家でないと教育コストだけで破たんしてしまう。


 一方、われわれはどんどん死ななくなっていく。1800年の欧米の平均寿命は40歳程度であった。この200年で平均寿命はほぼ倍増したのだ。今世紀はさらなる長寿化が進むとみられる。

 これからは、自分に投資する時代になるだろう。見てきたように、次世代が面倒を見てくれる人口構造にはない。その中でわれわれの寿命は延びでいく。先進国を中心に国家のバランスシートは大いに痛んでおり、高齢者への年金・社会保障に大きなメスを入れざるを得なくなる。一生現役の覚悟を持ち、自分で稼いで自分を養っていかなければならないことに多くの人が気づいてくる。