感染症99の謎

優れた学習者は、優れた答えを「知っている」者ではない。優れた問いを立てることができる者のことをいう。このことは、すでにソクラテスプラトンの時代から看破されていた。

確かに「問うて悪い質問なんて存在しない」とアメリカの医学生は教わる。しかし、これは詭弁、とはいわないまでも、質問を促すためのちょっとしたリップサービスだ。その証拠に、「それはよい質問だね」は、アメリカにおける指導医の常套句なのである。よい質問があるならば、そうでない質問がなければならない。職業に貴賤はない、といいながらも、一所懸命仕事選びをするのと同じである。それが悪いと言っているのではない。これは、アメリカ人の「大人の態度」なのである。大人の言葉は常に二面性(あるいはもっと)をもっており、字面どおりの意味しかないと盲信するのはオコチャマなのである。