雑感

ブックオフを見て考えたこと
 ブックオフにおいてあるのは、みな誰かが一度買った本ばかり。あらゆるジャンルがある。
 本を書く人は本当にたくさんいる。専門書、一般向けに書いた本(エッセイ、ハウツー本、自分の経験談、実用書)、小説。
すごく読まれる本は100万単位、読まれない本はいったいどれくらいで終わるのだろう。人の数だけ本の選び方があって、読んだ本が違って。本によって1冊の重みも違うし得られるものも違う。ごく一部が100年後にも残って、大半は消えていく。実用書の類はとってかわっていくし、専門書も「肉眼解剖学」みたいなもので名著(例えば「岡嶋解剖学」とか)以外は「見やすい」のがどんどん出てくる。

 ここから、飛躍するわけだが、、
この感じがすごく「基礎研究の99%は役に立たない」構造と似て見えてならなくなってしまった。

http://new.immunoreg.jp/modules/pico_jinsei/index.php?content_id=22

99%の基礎研究は実際の医療には何の役にもたちませんし論文を出すことだけでは何の意味もありません。しかしこれらの無駄のなかからしか本当に役に立つ知識や技術はうまれないことも事実です。山が高くなればなるほどすそのが広くなければならないのと同じです。多くの医師が仕事を終えても実験をし、論文を作製している。もちろん本人は自分のアイデアを試し幸運な成功者になりたいと思っているでしょうが9割以上は討ち死にかもしれません。それでも私はこのようなシステムが綿々と続いているのは一見無駄とも思えるこの研究システムのなかからしか本当のものは生まれないことを我々は経験的に知っているからだと思います。例えばインスリンを発見したバンチングもしかり、ペニシリンのフレミングもしかり。バンチングも過去の論文をみて膵臓に何かあることを知ったのです。