immunogenecityって

2009年10月16日に出された日本国産ワクチン(California/07/2009)の治験もそうだし、アジュバント効果について論じていたりするたいていの論文もそうなのだが、immunogenecityをみるために HI試験など抗体価を測るのが主流だ。しかし2009年10月24日 MRICで東大医科研の上昌広先生が指摘しているように「今回の研究で評価したのは抗体獲得率。この指標は、必ずしもワクチンの能力を示す指標の一つに過ぎません。抗体獲得が、実際の感染防御に直結するかも議論の余地があります。これまで、医療界がワクチンの2回打ちを標準としてきたのは、総合的に評価した結果であり、抗体獲得率だけで判断するのは危険を伴います。」という現状がある。
確かに結核感染者では結核菌由来抗原に対する抗体ができてくるが、それは「感染の結果としての抗体」であって、そのあがってきた抗体のおかげで結核を体内から排除できるわけではない。cytotoxic T cellが作動しないことには始まらない。インフルエンザを体内から排除するメカニズムがもっと明らかにすることで、in vitroで「ワクチンの効果があった=ワクチンによるimmunogenecityを確認する」ことができたらいいな。って思う。