FISH法

FISH(fluorescence in situ hybridization)法とは、蛍光 in situ ハイブリダイゼーションのことで、蛍光物質や酵素などで標識したオリゴヌクレオチドプローブを用い、目的の遺伝子とハイブリダイゼーションさせ蛍光顕微鏡で検出する手法である。医学分野等では遺伝子のマッピングや染色体異常の検出などで用いられている。また微生物学分野では真正細菌古細菌の16Sまたは23S rRNAの特異的な配列と相補的なオリゴヌクレオチドプローブを使用し、微生物の群集構造を解析する手法としても用いられている。

ビオチン−dUTP(またはdATP)を用いてプローブDNAを標識し、DNAを熱変性させた後、1本鎖DNAとハイブリダイゼーションを行う。できたビオチン標識DNAと染色体DNAの2本鎖DNAを洗浄し、ビオチンと親和性の高いアビジン−FITC溶液で処理する。これを所定の洗浄液で洗浄した後、染色体DNAを蛍光染色し、蛍光顕微鏡を用いて、その染色体上の座位を蛍光シグナルとして観察する。上述のFITCを用いると緑黄色の蛍光シグナルがスポットとして検出される。ただし、FITCが照射時間とともに退色するので写真撮影は手早く行う必要がある。