研究室へようこそ どこにも書かれていないバイオ研究室の実態

 野村慎太郎 羊土社、2001年11月10日第1刷

研究室の仕組み、研究室でのマナー
実験の上でのコツ、
論文、学会発表でのコツとかが書いてある。

p.70
豊富な人脈を作るには?

・性格が明朗(いつ、いかなるときにでも自分を表現できるプレゼンテーションを練習すること、和英で)
・相手の話をよく聞く(これは、と思う相手の研究成果について理解できるように勉強する、しかもそれは相手との会話に出さないでおく、相手の性格理解と信頼度を測定するのに用いる。)
・マメである(プラスミドをもらった礼状なども含め、機械を利用してアプローチする)
・記憶力がいい(物覚えが悪いようならメモをとって記録する。)
・さっぱりしている(不確定な情報を得ようとしていることを承知し、一方向の情報に頼らないで全体判断ができるようにする)

※他の研究分野の人との人間関係 
これは仕事に役立つだけではなく、人生をうるおす源となるので積極的に作るべきである。物理、建築などほかの科学分野の自分の研究内容を正確に話すことはトレーニングにもなるし、相手の話を聞くのも独自の発想につながる。利害関係が薄いこともあって長続きする人脈になること請け合いである。

p.75
上司、先輩の頭を盗む 
「本当に素晴らしい発想をする人だ、僕もああなりたい」と思えるような研究者がいたとする。一番効率が悪いのは「どうしてそのような発想に至ったのですか」と質問することかもしれない。そのとき相手は「もにゃもにゃ」と言うだろうが、所詮発想の手口を表現できないのである。「頭の中を盗む」以外に方法はない。相手の次の言葉、行動を予測する。相手の「先回り」ができればよい。相手の思考回路を盗む。ぼんやり拝聴しないこと。

p.84
 研究を始めて2年間は趣味も娯楽もなしでいくのがよい、趣味とかもきっぱりやめる。娯楽もストレス解消もなしでいってみよう。研究、実験を始めて、数年のうちにこれを職業とするかどうかを決めなくてはいけない。自分で自分の適性を判断するのである。実験ばっかりでどれくらいストレスがかかるかを判定する。欲求不満を研究室で解消できれば、適性があるってこと。